メトロポリタン・オペラの存続に赤信号?
ウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズ他、米国主要メディアが
7-8月にこぞって報道しておりましたので、ご存知かもしれませんが、
Live in HD: 2014-15 Season Preview
メトロポリタンオペラの2014-15シーズンは、組合側と経営者側の労使交渉の決裂により、
2014-15シーズンのロックアウト(営業施設の一時的閉鎖)が危ぶまれていました。
最新のニュースでは、とりあえず、労使交渉が一部合意した模様。
ただし、依然として、美術、衣装、メークアップなど、8つの組合が交渉を継続中です。
さて、今回のメトロポリタンオペアラのお家騒動の根底にある問題の一つは、高騰する人件費。
例えば、華やかなオペラスターにより一段の輝きを与えるコーラスや
オーケストラの年棒はおいくらかご存知でしょうか?
なんと、基本給ベースで10万~20万米ドルだそうです(JPYで1,000-2,000万円)。
ニューヨークは日本に比べると家賃、医療費、保険等、物価高で、
単純に日本との比較はできませんが、
プロの音楽家にとってたいへん魅力的なサラリーではないかと思うのであります。
日本の音大生のみなさま、キャリアパスのひとつとして、海外のオケ、オペラカンパニーも
選択肢の一つとして考えてみてはいかがでしょうか?
さて、The guardian2014年8月20日付の記事によりますと、
METの組合は全部で16、職員の数は約2500名。
高騰する人件費削減のために、経営側は17%の賃金削減に加えて年金とヘルスケアコストの大幅カットを提案。
その理由として、高い芸術性を維持するための制作費の高騰、
観客動員数の減少によるチケット収入の縮小をあげています。
メトロポリタンオペラは、誰もが認める世界最大のオペラカンパニーですが、
今後も、多くの聴衆を魅了し続け、健全な経営状況を続けることは、決して容易ではないように思います。
2013年には、70年続いたニューヨーク・シティオペラが財政難により閉鎖されました。
METが資金難に陥り、時代に淘汰されないって、誰が自信をもっていえるでしょうか?
管理人は、大きな潮流には何もできませんが、
微力ながらオペラの魅力をここから発信し、オペラの芸術振興を盛り上げて生きたいです\(^o^)/
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